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皮膚と内臓の病気

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はじめに

皮膚科専門医は皮膚病から内臓の病気を見つけることが出来ます。

この皮膚科医の特別な技術をデルマドロームといいます。

このデルマドロームの具体的な例をお示ししましょう。

体のいたるところに急激に短期間でイボが出現してきた

写真1は Leser-Tre´lat(レーザー・トレラ)徴候という皮膚症状で数か月のうちに老人性イボ(脂漏性角化症)が急激に皮膚に多発し,ときに痒みを伴う状態をさします。

内臓の悪性腫瘍(とくに胃ガン)が存在する可能性が高いため,全身検索が必要となります。

単発の場合は心配いりませんが気になる場合は皮膚科専門医受診をお勧めします。

顔,とくに目頭に黄色っぽいしこりが目立ってきた

これは黄色腫と呼ばれる皮膚病で高脂血症状、高コレステロールなどでみられることが多いとされています。

その際は血液検査の結果に応じて生活指導,血中の脂質成分を低下させる事で治療もしくは外科的に処置する事で治療します。

顔の鼻の赤みがとれない

お酒をお好きな方で頬や鼻の皮膚が昼間でも赤い方をよくお見受けします。

これがご存知、“酒さ”です。

酒さは読んで字の如くアルコールの過剰飲酒によって出現することが多い皮膚病です。

しかしながらアルコールと関係なく出現する事もあり原因がまだよくわかっていない病気です。

一説では肝臓で不活性化されなかった過剰の女性ホルモンの蓄積によるものとも言われています。

酒さの治療としてはアルコールと関係する場合はうまく飲酒を控えるよう指導する事や外用薬,内服薬で治療することもあります。

最近は難治症例に対し、レーザー治療をすることで劇的に改善することもあります。

また手のひらが赤くなり(手掌紅斑、写真:左)、胸や背中にクモ状血管腫(写真:右)がみられます。

これは肝臓機能低下により皮膚の表面の毛細血管の変化を表しているもので、クモ状血管腫は赤く細いクモが脚を広げているように見えるためその名前がついています。

さらに肝臓病ではいうまでもなく皮膚の色が次第に黄色くなり黄疸(黄疸)を生じてくることがあります。

これは意外と皮膚科診療において遭遇する事が多く、また内科や皮膚科以外で見過ごされる事も少なくありません。

その他に体の痒みやいつまでも良くならない慢性蕁麻疹などもあります。

治りにくい皮膚病は、その背後に何かの基礎疾患が隠れていることもありますので注意が必要です。

痛みは無いが、足の傷が治りにくい

ご存知のように糖尿病で高血糖の状態が長期に続くと免疫異常が誘発され、血液中の白血球の働きが低下し、細菌などに対する抵抗力が低下してきます。

また高血糖の持続は痛みを感じる神経に栄養障害が発生し、キズの痛みを感じにくくなります。

その結果、ちょっとした自分のキズの進行の発見がおそくなってしまい、そこに細菌が感染して化膿してしまっても痛みなどの自覚症状が乏しく潜行し、やがて皮膚の深いところが腐っていきます(壊疽)。

壊疽が進むと、皮膚に穴があき(皮膚潰瘍)、最悪になると骨まで腐ってしまいます(腐骨)。

これが有名な糖尿病性壊疽の状態です。

壊疽は単純な擦り傷、鶏眼などの自己処置、通常の足白癬などの軽微な皮膚のトラブルから発症する事もあります。ですから、糖尿病の方では痛みのない小さい足のケガでもほうっておかずに皮膚科専門医を受診しましょう。

したがって糖尿病の合併があればいつも足のキズの有無を観察し清潔にしていく事が大切です。

足に怪我をしないよう靴下をはいたり、自分に合った靴を履くようにするなどのフットケアをこころがけましょう。

ちりちり、ズキズキとした痛みのある皮膚症状

他には五臓六腑とともに時に心の疲れや体力の低下でもでることがあるのは単純ヘルペス(写真:左)、帯状疱疹(写真:右)などがあります。

単純ヘルペスは肉体的、精神的疲労などにより再発しやすい病気です。

局所の免疫低下はヘルペスウイルスの播種につながり、特にアトピー性皮膚炎などでは通常の範囲を超えてカポジ水痘様発疹症となり入院治療を必要とする事もあります。

一方、帯状疱疹もやはり同様の理由などで免疫低下が起こった際、以前にかかった水ぼうそうが片側性の皮膚に比較的広めの範囲で再発するものです。

しかしながら帯状疱疹では痛みのみ先行し、皮膚症状を欠く場合も多く発見が遅れて来院されることも後を絶ちません。

また帯状疱疹は顔面に出現すると難聴や顔面神経麻痺の原因になることもあり(Hunt症候群)、また後遺症としていつまでも痛みが残存する事もあります。

早期発見、早期治療は言うまでもありませんが、発症当初から抗ウイルス剤だけではなく、痛みのコントロールなど適切に治療することが肝要です。

当院にて早めに治療しましょう。

最後に…

近年の日本人の食習慣や生活様式の変化は生活習慣病や他の病気の素因と重なりこれらの皮膚病を増加させる傾向にあります。

いまさらながらですが五臓六腑は皮膚を映す鑑です。

隣人にお節介を焼く事がやや疎んじられる昨今ではありますが,皮膚に関しては酒席などでお互いに顔色を慈悲の心でしみじみと密かに眺め、ときにこれらの皮膚病の知識を啓蒙し、声を掛け合う事も最良の予防と考えられます。

* 写真1 ,4,6(右)は皮膚病アトラス(文光堂、西山茂夫著)より出典

 

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